サイバーフィジカルシステム

我が国が目指すSociety5.0とは,サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させて経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会である.その実現のためには,人間・ロボット・メカトロニクス・マシン・情報を含む系がネットワークを介して結合したサイバーフィジカルシステム(Cyber-Physical Systems: CPS)の基盤技術の発展が不可欠である.これは我が国だけではなく世界の多くの国々で「スマートシティ」という概念によって共有されている.とりわけ「人間中心」「一過性ではない継続性(サステナブル)」「柔軟な適応性(レジリエンス)」をキーワードとして次世代の社会構築が進められている. CPSによって空間的に離れた複数の人間が複数のマシンを操作することでたとえば遠隔医療・遠隔探査が可能となる.ただし,CPSにはネットワークの容量制限や膨大な量のデータの送受信に伴うデータ遅延・データ欠落などの問題があり,これがマシン操作のリアルタイム性を低下させるため,新たなシステム設計の展開が望まれている.

知的システム設計

CPSにおける上述の問題を解決するキーワードは,推定・予測・制御である.東京電機大学↗未来科学部↗ロボット・メカトロニクス学科↗知的システム設計研究室では,CPSにおける制御性能を向上させることを目的とし,学習を取り込んだ予測・推定によって,知的なシステムをデザインし,その有効性をシミュレーションおよび実験によって明らかにする.これらの研究成果がが社会的課題の解決に資するものとなるよう研究開発を続けている.